発達障害グレーゾーンの子どもは、就学前には特性が目立たないことがあります。発達障害グレーゾーン(ADHD+ASD)の娘も小学校に入学してから指摘されました。それまでは特性が目立つことなく過ごせていたため、気づいてあげることができませんでした。でも今、振り返ると就学前にもいくつか思い当たることがありました。
この記事では、気づいてあげられなかった就学前の発達障害のサインについて書いていきたいと思います。
保育園では指摘を受けなかった
娘は、保育園では、特性を指摘されることはありませんでした。面談などでも先生方からは特に話はなかったし、私も、娘は上の子に比べて幼さはあるけれど、末っ子だからかなと思っていました。むしろ、その幼さを子供らしさと受け止め、深く考えることもありませんでした。
一番印象に残っている出来事、歯医者でのこと
保育園では指摘を受けなかったのですが、実は一度だけ
「なにか指摘を受けたことはありますか?」
と聞かれたことがありました。娘が5歳児クラスに在籍をしていた時の話です。
はじめて保育園の歯科健診で、娘に虫歯が見つかり、歯科受診することになりました。これはその時に歯科医の先生から言われた言葉です。思いがけない言葉に驚きながらも「いいえ、ありません」と答えました。先生は「すいません、変なことを言ってしまって」と言って診察を始めてくれましたが、その言葉がモヤモヤと引っかかりました。
もしかして、うちの子、なにかおかしいのかな…
他の子と比べて違うところがあるのかな…
指摘を疑われているポイントもわかりませんでしたが、この質問が出るのは、なにか娘の様子で気になるところがあったから…。あの時、先生の言葉を聞いて不安に感じたのを覚えています。
娘を見ると、処置の椅子に座ってはいましたが、私の方を見たり、器具が気になってキョロキョロしたり、落ち着かない様子でした。そして、歯科医の先生から、「治療中に頭を動かしてしまうようだと処置ができないかもしれない」と言われました。
そもそも、発達障害グレーゾーンという言葉すら知りませんでした。知識があれば気づけたのかもしれません。でも、その時の私は気づきようもありませんでした。
上の子はとても手のかからない子でした。指示にもよく反応できて、よく気がつく、とても育てやすい子でした。だから娘を見て、「娘みたいな子が普通の子どもなんだろうな」と思っていたのです。むしろ、少し落ち着きがないくらいの方が子どもらしくていい、とすら思っていました。
引っかかる気持ちはあったのに、楽天的に受け止めてしまっていたのです。
結果的に、先生がとても丁寧に少しずつ慣らしてくださったおかげで、娘は無事に治療を終えることができました。最後には、先生が「別人のようにお姉さんになりましたね。大人でも痛いような治療もあったのに」と言ってくれたので、最初の言葉で不安を感じたことも薄れていきました。
はじめての歯医者で緊張していただけで、怖くて落ち着かないのは普通、「やっぱり娘は大丈夫なんだ」と思ってしまいました。今思えば、先生は本当に治療が難しいかもしれないと思っていたからこそ、あの言葉をかけてくれたのだと思います。
他にも思い当たるサインがあった
今振り返ると、他にも気になるサインはありました。
保育園の先生から「妖精さんのように自分の世界に入ってしまうことがある」と言われたこと。お昼寝の後、パジャマをきちんと畳まないと次の行動に移れなかったこと。参観日に見ると、特定のお友だちとばかり遊んでいて、集団で遊ぶのは得意ではなかったこと。
そして、卒園式の日のことも今でも忘れられません。式の途中、娘だけがひとりしゃがみこんでしまい、最後まで立っていることができませんでした。その場では「疲れちゃったのかな」と思っていましたが、今思えばあれも特性のひとつだったのだと思います。
当時はどれも「そういう子なんだな」で終わっていました。
なぜ気づけなかったのか
なぜ気づけなかったのか。それは、指摘を受けるほどの問題行動がなかったからだと思います。ちょっと気になるところはあったけれど、はっきりとした指摘を受けなければ、動くきっかけがありません。そして、発達障害グレーゾーンという言葉すら知らなかったので、そういう視点で娘を見ることもできませんでした。
気づけなくてもお母さんのせいじゃない
なぜもっと早く気づいてあげられなかったのだろう、と今でも思うことがあります。小学校に入ってから大変な思いをさせてしまった。サインはあったはずなのに、と。
でも、今は思います。あの時の私は、気づけなくて当然でした。はっきりとした指摘もなく、「発達障害グレーゾーン」という言葉すら知らなかった当時の私には、その視点がありませんでした。
だから、もし今「なんとなく気になる」と感じている方がいたら、その感覚を大切にしてあげてほしいです。気づいた時に動く、それが大切だと思います。いつだって遅いということはない、と感じています。


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